不動産投資詐欺の概要とその典型的な手口

不動産は実用としての住居やオフィスとしての需要のほか、投資用商品としても人気を集めています。株式投資や外国為替証拠金取引と比較してリターンは少ないもののリスクも低いと考えられているため、ミドルリスク・ミドルリターンの位置づけで紹介されることが多いです。投資用不動産を賃貸物件として市場で運用した場合、基本的には一度借り手が見つかれば定期的に家賃収入が見込めるのが魅力で、投資の初心者や会社員が片手間で不労収入を得ることを目標に行うケースも非常に多いです。近年では不動産投資によって成功した例がテレビや雑誌でも紹介され、知名度の向上にともない人気となっています。

 

こうした状況を背景に、不動産投資詐欺と呼ばれる不動産投資に絡んだ悪徳な手口や詐欺に関する相談が急増しています。そもそも不動産の取引を行うにあたっては関連する法律や法令・制限が多数存在しており素人が完全に理解するのは非常に難しいものです。一つの契約を締結するには非常に多くの文書や分厚い契約書を理解する必要があり、誤解や意図的な書類の不備があっても気づくのは容易ではありません。こういった点が悪質な業者や犯罪者のターゲットとなっている理由の一つです。

不動産投資詐欺か詐欺では無いかの判断ははじめは難しいところですが、絶対に儲かる、めったに無い優良物件の紹介であるなどといった営業担当者のトークは優良企業ではあまり考えられません。こういった場合、突然職場に電話がかかってきて勧誘が始まるというパターンが多いとされています。電話での勧誘に押されて直接会ってしまった場合、業者による長時間にわたる勧誘やしつこくてわかりにくい説明を受けることがあります。これは不動産投資詐欺の勧誘の一つの特徴的な点で、勧誘を断ると脅すような強い口調で話をされたり、嫌がらせを受けて渋々契約をしてしまうといった被害が報告されています。不動産を取り扱う企業は、契約者が正しい判断するための十分な時間を与えないことや長時間にわたる勧誘などが禁止されています。

 

詐欺の被害を受けないためには、まず怪しい勧誘や突然の電話勧誘には対応しないというのが最も重要になります。直接勧誘を受けた際も、きちんと断れる状況で対応することが大切です。万が一に備えて勧誘の内容や相手の話を記録しておくと役立ちます。もし契約してしまった場合は弁護士に相談し、返金交渉をしてもらうことが最も効果的な解決手段となります。